
昨年(2023年)12月1日に公開された本作。
「楓」が通信制高校へ進むことを決意した、6月公開「おでかけシスターの夢を見ない」の続きです。
「思春期症候群」が咲太に起こるお話。
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「かえで」異変以来、両親と別居していた咲太と楓の元に、「母親が楓に会いたがってる」との父からの電話。
咲太と楓の母親は、娘がいじめを原因に解離性障害を発症し「かえで」になってしまったことで、自分は情けないと責め、あげく精神を病んで入退院を繰り返しています。
楓は、思い切って母に会う決心をします。
緊張しつつも、咲太と共に両親のアパートを訪問する楓。
母は娘を優しく迎え、楓は2年間の空白を埋めるかのごとく、たくさん母に話しかけます。
そして家族4人で囲む、久しぶりの食卓。
咲太も安心して、その晩は一人藤沢のマンションへ帰宅…。
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異変は、翌日に起こります。
友人、両親、楓も、誰もかもが咲太を認識しません。
まるで、麻衣が「バニーガールの衣装を着て図書館をうろついていても咲太以外の誰にも認識されなかった」ときと同じように。

きっかけは「母親ときのう2年ぶりに会ったこと」しか思いつかないものの、どうすればいいのか分からない咲太。
ひとりボーッと七里ヶ浜に立つ咲太のそばに、麻衣そっくりなランドセルをしょった小学生低学年くらいの少女が現れます。

彼女に手を握られつつ、電車の中で疲れのあまり眠りこけてしまい…。
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起きると、そこは藤沢のマンションではなく、家族4人で過ごしていたときの自分の部屋。
母も父も楓も、楓に起こった「思春期症候群」がまるでなかったかのように振る舞っています。
平和な朝食風景にとまどう咲太。
峰ヶ原高校へ通っていて、麻衣と付き合っており、のどかや佑真や朋絵や理央とも良好な関係なのは同じでしたが…、これは一体どういうことなのか…。
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居心地のよいその世界に別れを告げ、現実の世界に戻る咲太は、やはり強い。

いや、弱みを麻衣に告白したからこそ、決心がついたのでしょう。
「母親がいなくても何とかやっていけていた、母親の存在を忘れようとしていた自分」を認めることがやっとできた。
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今作も、前作同様、映画館がファンでいっぱいでした。すすり泣きも聞こえてきましたよ。
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本作は、「青ブタ」シリーズ初登場のキャラクターがふたりいます。
ひとりは、「赤城郁美」(あかぎいくみ)。

現実の咲太が通う峰ヶ原高校にはおらず、楓の「思春期症候群」が起こらなかった世界で出会った彼女は、いったい何者なのか。
本作ではちらりとしか登場せず、咲太の記憶には今のところ「中学生のときに同級生だった少女」とおぼろげにしかありませんが、彼女はこれからの「大学生編」における重要な人物です。覚えておきましょう。
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もうひとりは、「霧島透子」(きりしまとうこ)。
EDロールのあと、牧之原祥子ちゃんが咲太にスマホでMVを見せます。「霧島透子」という、最近大流行している顔出しなしの謎につつまれたシンガーです。
ところが、祥子ちゃんは「霧島透子は私の記憶しているどの世界にも存在しません」と咲太に言います。
「霧島透子」も今後、最重要キャラとして「大学生編」に登場しますので、押さえておいてください。
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アニメイトのくじでB2ポスター3枚組が当たったので、Yahoo!オークションに出品してみました。
「需要はなかろう」と600円からスタートしたら、何と5万3000円もの高額で落札されてびっくりしました。