2020年制作のブラジル映画。心温まる作品です。Amazon Primeビデオで鑑賞。
エルネストは目がよく見えないひとり暮らしのご老人。
息子に引っ越しして同居するのをすすめられていますが、頑固者でなかなか首を縦に振りません。
そこに「主人が亡くなった」と昔からの親友からの手紙が。
でも、タイプライターで返事を打つのもひと苦労…。
偶然出会ったピチピチギャルのビアに、手紙の代筆と代読を頼むんですね。
「友達なんでしょ? そんなぶあいそうな書き出しじゃ、よそよそしいわ」とツッコミを入れられて、くだけた言い方に直すわけです。
遠くに住む孫へのビデオレターにも「小さな子に天気の話から始めてどうするのよ」とダメ出しされるのがゆかいです。
「お前のお父さんは物語が好きだった、今度来たらたくさん貸してあげるよ、キッスを込めて」…。
メールアドレスで彼女のことが息子にバレるのですが、彼もわかっていながらお金をだまって貸してくれたり、自分の部屋をビアに使わせてくれたりと、本当に父親のことを心配してくれているのがわかります。
ビアのDV元カレが押しかけてきた時には、おもちゃの銃を向けて追い払い、
「女に暴力をふるう男は臆病者だ」
、って断言するエルネスト。イカしてます。
夜の街中、LGBTや黒人の集会で、有名な歌の詩を披露して拍手喝采を浴びて、気分良さそう。ビアとの交流でどんどん気持ちが若返ってます。
そして彼は最後に、未亡人になった親友の女性のもとへと行くのでした。
飛行機とタクシーを乗り継いでブラジル南部の都市へはるばる行き、彼女とハグ。
うーん、いいなぁ。老いても恋心が枯れないなんて。
ビアに書いてもらった最後の手紙は、息子あてでした。彼が読み終わって深く頭をたれる気持ちはどんなものだったのでしょうか。あれだけ説得しても俺のところには来なかったのに、人生の最期は元カノと迎えることにしたのかよ…、って感じかな。
ビアは知り合ったばかりのエルネストの部屋からお金をくすねたりして、ちょっとやばい子かな?と思ったけど、自由奔放なわりに、律儀にお金を返すいい娘でした。
いつまでも若々しくありたいものですね。
バックにかかる南米の音楽もいいですよ。