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言わずと知れたスタンリー・キューブリック監督の映画史に残る傑作「2001年宇宙の旅」の正統な続編として、監督ピーター・ハイアムズ、主演ロイ・シャイダー(「ジョーズ」でおなじみ)で作られた作品。
1984年公開当時は僕もワクワクしながら見たものだけれど、今となっては非常に物足りない。
目指したのが「キューブリックのスピリッツ」でないのはもちろんなので仕方がないが、ディスカバリー号やレオーノフ号はいかにもミニチュアの撮影であると分かるし、宇宙遊泳の場面の合成画像が稚拙すぎて…。凡百の「普通のSF映画」と同じレベルとなっていて、「2001年~」よりも明らかに見劣りがする。
それから、作品に緊迫感を出すためにキューバ危機を思わせる米ソの軍事対立を持ち込んでいるのも、安易だと感じる。
もちろん、デイビッド・ボーマン(キア・デュリア)やHAL9000の再登場(声はもちろんダグラス・レイン)はうれしい。「続編」としての説得力がここにあると言えばある。
ホワイトハウスのシーンに原作者のアーサー・C.クラークがさりげなくゲスト出演しているところからすると、彼がこの映画化を気に入っていたらしいことはうかがえる。(しかし、正直どこにだったんだろう?)
今となっては、クラークの原作小説を読む方をお勧めする。本作でおざなりにされた、硫黄を吹き出す異様な火山衛星イオの迫力を詳細に描いていたり、中国の宇宙進出を加えていたりするので、映画よりもはるかに深みが増している。