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テレビアニメ「平家物語」のような傑作を生むかと思えば「日本沈没2020」のような超駄作も生み出す、クセのある会社、サイエンスSARU制作。
これも微妙に人には勧めづらいアニメ映画。(U-NEXTで鑑賞。)
平家没落後の、南北朝が北朝へ統一される頃のお話。
壇ノ浦に沈んだ「三種の神器」の一つの刀を手に入れたい将軍家のたっての頼みで、海に潜った友魚は、その刀を抜いたとたん呪いで視力を失ってしまう。
杖をついて都へと登った先で琵琶法師となり、異形の男「犬王」と出会い、平家の物語をロックで語って演奏する、というお話。
うーん…当時の音楽って琵琶と太鼓と笛でしょう?
なぜそれがロックになるのかな。よく分からない。
映画.comには「室町版ボヘミアン・ラプソディー」という声もあり、なるほど納得、と思いました。
映像はすごいですよ。何度も言うけど、さすがはCGのグラフィニカ。
3Dも、演奏の鮮やかな動きも、見ていて気持ちいい。戦後の陰鬱とした村々の灰色な景色を見せられたあとなので、よりいっそう引き立ちます。
彼らの歌い踊って語られた平家物語は、足利家が編纂した「正史」から異端とされ、友魚は河原で打ち首になります。
他方の犬王はというと、足利義満に迎合して生き延びる。
で、ラストは現代に。
恨みつらみを語る友魚に、元の異形に戻った犬王が現れて、交差点でセッションして、終わり。
…冒頭もそうだけど、なぜ現代をからめる必要があったのかなぁ。やっぱりよく分からない。
映像には必見の価値はあるけど、人におすすめできるかというと、ちょっとためらう、特殊な作品でした。
これって、2021年公開作品で、歌のところに歌詞字幕がついて無声応援上映という方法もとられたようです。
それを見ていれば、また違った感想になったかもしれません。